ハンドヘルド後方散乱X線装置市場、年平均成長率5.5%で拡大予測
SDKI Analyticsが発表した最新の市場調査レポートによると、ハンドヘルド後方散乱X線装置の世界市場は、2025年の約1億6700万米ドルから2035年には約2億8520万米ドルに成長し、予測期間中に年平均成長率(CAGR)5.5%で拡大すると予測されています。背景には、テロや密輸といったセキュリティ上の脅威の増大があり、隠匿物の迅速かつ非侵襲的な検出に対するニーズが高まっていることが挙げられます。
セキュリティ需要の高まりが市場を牽引
近年、国境を越えた違法薬物や不正品の取引は増加の一途を辿っており、各国の税関や警察などの法執行機関は、より高度な検査技術を求めています。ハンドヘルド後方散乱X線装置は、その携帯性と操作性の高さから、不審な貨物や車両、さらには建物内部の検査に活用されています。インターポールによる違法薬物の押収事例や、メキシコ政府によるフェンタニル押収作戦など、具体的な事例が市場の需要を裏付けています。
技術革新と市場競争
市場では、Videray Technologies Inc.によるモジュール式透過パネル搭載の新スキャナー発表や、日本の財務省(横浜税関)によるハンドヘルド後方散乱X線イメージャーの調達など、活発な動きが見られます。技術別では、操作が容易な単一エネルギー後方散乱システムが市場をリードすると予測されています。また、アジア太平洋地域は、国境警備への投資増加を背景に、最も高い成長率を示すと見られています。
日本市場の動向
日本は、セキュリティおよびX線関連機器における技術進歩に重点を置いており、ハンドヘルド後方散乱X線装置市場にとって重要な拠点となっています。経済複雑性観測所(OEC)のデータによると、日本は記録装置付き放射線検出器の輸出入において、世界でも有数の規模を誇ります。国内市場では、日立メディカルシステムズ、キヤノンメディカルシステムズ、島津製作所などが主要なプレーヤーとして存在感を示しています。
課題と今後の展望
一方で、政府による厳しい被ばく制限や複雑なライセンス要件、高額な機器費用などが市場の成長を阻害する要因となる可能性もあります。しかし、セキュリティ需要の高まりや技術革新を背景に、ハンドヘルド後方散乱X線装置市場は今後も着実に成長していくと予測されます。警備業界においては、より高性能で使いやすい製品の開発が、さらなる市場拡大の鍵となるでしょう。